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解離性障害
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解離性障害の知見
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神田橋先生の治療 ( No.1 )
根拠: 『発達障害は治りますか?』 神田橋條冶 花風社


僕は解離を統合する治療には反対なんです。

解離というのはね、もっとも苦しいときに、人間という特別な脳を持った生物が使える最高の方法です。

天草で温泉で逆さづりにされたキリスト者たちはみんな解離を使って耐えたんでしょう。

解離がなかったら耐えられなかったでしょう。

だから解離はそういうときに使うんです。 解離性人格障害は、治そうとしてはいけないんです。

ただ、解離性人格障害が薄れてくれば、ああ、ずいぶん脳がラクになったんだな、という指標としては使えます。

治療のターゲットにしてはいけません。

本来人間はこの社会で生きるために、多重人格を使い分けて生きていますね。

そしてその使い分けた人格がそれぞれ、たがいがやっていることを知っているわけです。

こっちの人格がやっていることをこっちが知っている、それがふつうの人です。

その間が切れてしまっている。だからこっちの人格が別の人格に波及しない。

それが解離性人格障害です。という説明を患者さんにはしています。

だから他の人格がやっていることがわかるようになればいいんです。それが一番いいんです。


あるときね、多重人格の人の治療中にある人格が出てきてね

「先生、もし病気が治ったら私は消えるのでしょうか?」って訊くの。

かわいそうだと思ったね。「消えますよ」とかよう言わんわな。

それで「何かゆえあって必要があって生まれてきたものが消えることは絶対ありません」と僕はそのとき言い切ったから、

自分の考えをその発言に合わせて治療することにしました。

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