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統合失調症にあっても抗精神病薬の多量処方は有害
根拠: 「統合失調症は、どこまでわかったか」 菊山裕貴 みんなねっと連載記事 #4


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陽性症状・陰性症状と脳の体積 ( No.1 )
根拠: 「統合失調症は、どこまでわかったか」 菊山裕貴 みんなねっと連載記事 #4

統合失調症患者さんの脳で特に体積が減りやすい部位は二つあります。
右の前頭葉と左の上側頭回(側頭葉の一部)です。
前頭葉は人間らしい意欲を、上側側回は聴覚を司っています。
前頭葉の体積が減ると意欲が低下して、陰性症状が始まります。
上側頭回のの体積が減ると聴覚問題(幻聴)が出現して、陽性症状が始まります。
脳体積とドパミンの関係 ( No.2 )
根拠: 「統合失調症は、どこまでわかったか」 菊山裕貴 みんなねっと連載記事 #4

ではなぜ、前頭葉や上側頭回の体積が減るのでしょうか。
その理由はドパミンにあります。
図1を見てください。
ドパミンは、少なすぎても、神経細胞は死んでしまうし、
多すぎてもやはり死んでしまうことになります。

統合失調症患者さんでは、実際に、前頭葉でドパミンが少なすぎる、
上側頭回でドパミンが多すぎることがわかっています。

陰性症状が出現するのは、前頭葉でドパミンが少なすぎて、神経細胞がダメージを受けて
脳の体積が減って、意欲が低下するから。

陽性症状が出現する理由は上側頭回でドパミンが多すぎて、神経細胞がダメージを受けて
脳の体積が減って、聴覚的問題が出現するから。

どうすれば脳を守れるか@ ( No.3 )
根拠: 「統合失調症は、どこまでわかったか」 菊山裕貴 みんなねっと連載記事 #4

ドパミンが多い上側頭回ではドパミンを生理的に正常な量に下げること、
ドパミンが少ない前頭葉ではドパミンを生理的に正常な量へと上げること

昔ながらのお薬(第1世代抗精神病薬)であるセレネースの場合には、上手に投与量を調節することができれば、
ドパミンが多い上側頭回でのドパミンをブロックすることによって陽性症状を改善することができました。
しかし、前頭葉でのドパミン低下を改善できません。
セレネースを飲んでいる人は、1年間服用し続けている間に前頭葉の体積減少が進行してしまったのに対して、
ジプレキサを飲んでいた人たちは、前頭葉の体積減少がみられなかったという報告があります。

ジプレキサなどの新薬(第2世代抗精神病薬)は
セロトニンという脳内の物質に対する作用も併せ持つことによって間接的に前頭葉のドパミンを増やすことが可能になっています。

第2世代抗精神病薬ならば、脳全体を守ることが可能なのです。
どうすれば脳を守れるか A ( No.4 )
根拠: 「統合失調症は、どこまでわかったか」 菊山裕貴 みんなねっと連載記事 #4

ただし、脳のへの保護効果(神経保護作用)が発揮されるためには一つ条件があります。
それは必ず第2世代抗精神病薬単剤の適切な投与量(至適用量)での治療を行うことです。
そういった薬剤の内容への変更のことを「単剤化」と言います。

図3を見てください。
セレネース以外はすべて第2世代です。
薬の量が多すぎてしまったら神経細胞の生存率は落ちていってしまうのです。

よく考えれば、「ドパミンは多すぎても少なすぎてもいけない、バランスが大事」だから当然のことです。

2種類以上の抗精神病薬を併用した場合にも神経保護作用は失われることが報告されており、
神経に対する毒性をもたらし、神経細胞死が促進される可能性があります。


全文はこちらから、
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/l415do-pamin.htm

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