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クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども
根拠: 2012.06.13 午後7:30〜 クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども


2012.06.13 午後7:30
クローズアップ現代

向精神薬をのむ子ども

上半身が揺れ続け、止まらなくなった小学生。
足の先が痙攣し、小刻みに震える高校生。
今、向精神薬と呼ばれる薬の副作用に、多くの子どもが苦しんでいます。
向精神薬は、発達障害やうつ病などの精神疾患に処方される薬です。しかし、子どもに処方する際の明確な基準はありません。
小学2年生のときに、クラスで落ち着きがないと言われ、向精神薬をのみ始めた男の子。頭痛などの副作用に苦しみました。

(母親)能面のような表情になってしまったり でも薬を飲まないと学校にいられないんじゃないかと

学校では今、子どもの心の問題に医療機関と連携して対応しようとする取り組みが、国の方針で進められています。
(文部科学省 担当者)子供たちの問題も早期発見 早期対応するために 医療の力を借りないと解決しないというところがあります

これに対し、副作用に悩んだ人や家族から、危惧する声があがっています。
(向精神薬を投与された高校生の母親)薬によってどんどん息子が変わってきて やっぱり薬を飲ませるべきじゃなかったとすごく思います

向精神薬を飲む子どもに、何が起きているのか。家族や教師は、子どもをどう支えればいいのか、考えます。

クローズアップ現代 “薬漬け”になりたくない
〜向精神薬をのむ子ども〜(NO.3213)

(国谷裕子キャスター)こんばんは。クローズアップ現代です。
うつ病や統合失調症など精神的疾患は、早く発見し治療することで、悪化を防ぐと考えられています。また重い症状が出てからでは、薬が効きにくくなるケースもあるとされています。ですからこの番組は、決して一律に薬の投与を否定するものではありません。今夜お伝えするのは、今多くの子どもたちが精神科を受診し、精神を穏やかにする向精神病薬や、激しい落ち込みを改善する向うつ薬、向不安薬、さらには睡眠薬を処方され、服用しているという実態です。

(精神疾患・行動障害の患者数(0〜19歳)のグラフ)
ごらんのように、厚生労働省が行っている患者調査では発達障害やうつ病など、精神疾患で病院を受診した未成年の患者の数は、平成20年にはおよそ15万人と、12年前に比べて倍増しています。落ち込んで学校に行けない、落ち着いて座っていられない、授業に集中できない、など症状は様々です。こうした症状を改善させるため薬が処方されることが、少なからずあるとみられています。

(薬物の開始年齢のグラフ)
国立精神・神経医療研究センターが行った、薬の投与開始年齢の調査です。
就学前がごらんのように39%、小学校低学年が36%と、小学校低学年までが7割を超えていました。成長過程にある子どもたちに処方される薬は子どもへの治験が難しいということなどから、子どもが服用した場合の影響について、殆ど解明されていません。またどれぐらいの量が適量なのか、明らかになっていません。つまり子どもへの安全な処方の基準がないまま、精神科を受診する子どもに対して、精神安定剤や睡眠薬などがときに多量に処方されているのです。

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Re: クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども ( No.1 )
根拠: 2012.06.13 午後7:30〜 クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども

関東地方の小学校に通う9歳の男の子です。男の子が2年生のとき、母親は担任から呼び出されました。授業中に歩きまわるなど、問題行動が多く、困っているというのです。
連絡帳に書かれた担任からのコメントです。「授業参観 教室は今回イヤだったようで教材室ですごしてもらいました」「テスト やりたくないと後期一枚もやっていません」
担任は、市の教育相談を受けるよう指示。市の担当者は母親に病院に行くよう伝えました。精神科の医師は発達障害の疑いがあるとして、衝動的な行動を抑える向精神薬を処方しました。
(母親)「クラスの中でなじまないんだったら(薬を)飲んでみます?」って言われて、じゃあ、飲んでみなくちゃならないのかなあ程度だったんですけど、了承して飲ませました

薬を飲み始めると、男の子は落ち着いて授業を受けられるようになりました。しかし一方でいきいきとした表情が消え、痩せていったといいます。
(男の子)たまに頭痛がきて食欲がなくなったり いつものように力が出ないっていうか

母親が薬の添付文書を読むと、男の子が訴える症状が副作用として書かれていました。(画面:薬の添付文書。食欲不振 体重減少 頭痛に赤線がひかれる)
心配になった母親は、薬をやめたいと担任に申し出ました。しかし学校側は、薬で男の子は落ち着いている、この状態を保ってほしい、とゆずらなかったといいます。
(母親)薬を飲まないと学校にいられないんじゃないかって 息子は排除されるんじゃないかって そういう気持ちでいっぱいになって

学校で問題を抱えた子どもが病院を受診し、薬を飲むケースは最近増えているといいます。
Re: クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども ( No.2 )
根拠: 2012.06.13 午後7:30〜 クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども

フリースクールの理事長、奥地圭子さん。
ここ数年、子どもたちがすぐに医療に繋げられる傾向に疑問を感じてきました。
(不登校の親へのアンケートの映像)
奥地さんは、全国の親の会に呼びかけて、子どもと医療の実態についてのアンケートを実施しました。その結果、学校に通えない子どもの7割が精神科を受診。さらに、その7割が向精神薬を飲んでいました。
(アンケートの画面)
学校から医療へのハードルが低くなりすぎ
危険だと感じる
「これでは薬漬けになってしまう」と恐怖を感じている

(奥地圭子理事長)今は大変 薬が多剤 多量投与になっちゃってて どうしてこんだけの薬がいるんだろうっていうくらいに出ます 果たして子どもにとっていいんだろうかっていう非常に大きい問題をつきつけられていることがわかる

国立精神・神経医療研究センターの中川栄二医師です。
全国の精神科、小児科の医師に調査を行い、600人から回答を得ました。
(精神科・小児科の医師へのアンケート調査の書類の映像)
 発達障害の症状がある子どもへの向精神薬投与について
 どんな薬を何歳から、どれだけの量を与えているか。それぞれの医師に聞きました。
 興奮を抑える薬を、3−4歳で与えていた医師。
睡眠障害を抑える向精神薬を1歳から2歳で投与した医師もいました。
解答を寄せた小児神経科医の声です。
 「内心ヒヤヒヤしながら処方」
「重篤な副作用も稀ではない向精神薬を使い続けることに疑問を感じる」

 この結果を受け、中川さんは今、子どもに対する向精神薬の処方の指針づくりに取り組んでいます。

(中川栄二医師)向精神薬が成長過程にある子どもの脳に与える長期的な影響については、全く解明されていません。慎重な投与が必要だと思います
Re: クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども ( No.3 )
根拠: 2012.06.13 午後7:30〜 クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども

子どもが向精神薬を飲むことには危険があると訴え始めた人たちがいます。
今年一月に発足した、精神科の早期治療に反対する会です。子どもの頃に精神科を受診し、多量の向精神薬を飲んだ人や、その親たちが参加しています。
(中学生の時に向精神薬を投与された女性)病院へ行ったら、即入院が決まって、本当に何が起こっているのかわからなくて

(向精神薬を投与された高校生の母親)本当にもう、ぱっと見た時、本当にこの子もう、気が狂っちゃったんだなと。やっぱりもう薬を飲ませるべきじゃなかったとすごく思います

現在参加しているのは、130人。副作用の実態を国に伝える。子どもを精神科に繋げることに慎重になるよう訴えています。

(国谷キャスター)今夜は精神科医の石川憲彦さん、そして取材にあたってきました水戸放送局の井上記者とともにお伝えしてまいります。
 石川さん、そうした薬の投与開始年齢が小学校の低学年までというのが7割を超えていました。幼い、成長が真っただ中の子どもたちの身体への影響というのは、どう見たらいいのですか?

(石川医師)やっぱりそれはとても心配で、人間の脳っていうのは、生まれおちた時にもうすでに土台と、それから大枠組みができているんですけれども、8歳ぐらいまでの間に内装するようなこととか色んなことをして徐々につくっていくわけですね。そして8歳ぐらいで、形は一応大人になるんですが、そのあとは配線工事なんかがその後数年間ものすごい勢いで起こる。つまりそういう途中段階は、大人とは全く違う。そこに起こったことというのは、違う意味で、これはとても怖いことだと思いますね。

(国谷キャスター)身体が、上半身の動きが止まらなくなるとか、あるいはその頭痛がするとか、副作用も出ているようですけれども、どんな副作用が考えられるのですか?

(石川医師)画面に出た、運動に出るというような、見える副作用の場合は比較的誰でもすぐ分かるんですけれども、薬というのは全部の脳に働きますから。全神経系、全部の脳に。それから全身にまわるんです。肝臓、心臓、膵臓、腎臓、これらに対する危害というのは逆に見えないだけに、気がついたときには手遅れということがあるぐらい全部

(国谷キャスター)問題のある箇所だけに、やはり効くわけではないわけですよね。

(石川憲彦医師)そうですね。薬はそういう形で入ってくるわけです。

(国谷キャスター)でそういう風に副作用が起きる可能性もある、こういった薬の投与が行われるのは、井上さん、今のリポートにありましたように、学校から、そして医療の現場に繋がっていく傾向が強まっているという背景もあるようなんですけれども、なぜ、今そうした傾向が拡大しているんですか?

(井上登志子記者)はい。最近は発達障害やうつ病などの徴候を早く見つけて、必要なら早く医療に繋げて、専門的なケアをしたほうが、症状の悪化も防げて本人のためにもいいという考え方が、学校現場や、それから医療の世界にも浸透してきているんです。
文部科学省は、子どもの異変を見抜くための教師向けの手引きというのを作成しておりますし、それから地域では、病院の医師が学校の中に入っていって、教師の相談に乗るというような取り組みも、各地で始まっているんです。こうした早期の対応をすることで、子どもの周囲の環境が整えられて、状況が改善するということももちろんあるんですが、なかには不必要な投薬を受けて、深刻な副作用に苦しむというケースも出てきているんです。

(国谷キャスター)はい。石川さんはその40年を超える精神科医としての経験をお持ちなんですけれども、なぜ今、学校現場から医療に子どもたちが繋がりやすくなる、いざなわれる傾向が強まっていると思っていらっしゃいますか?

(石川医師)私は2つほど大きな問題があると思うんですが、1つはやっぱり障害、精神障害って言葉が広がる、発達障害っていう言葉が広がると、親も、先生も、医者も、見逃してはいけないという意識が強く働くんですね。ですから、いいことをしてあげなければならないという善意から、見逃すことへの恐れと善意とが混ざって、どんどん、ともかく見逃さないようにっていう傾向が強くなってる。
2番目には、先生方も親も地域で子どもの行動をみて、これは昔だったら元気がいいとみたとかね、個性的とみたり、チャンスだ、という風に、色んな面白い行動とみたものを、問題行動なんじゃないか、という風に悪い方向にみるようになってしまった。
そういう余裕が先生に奪われて、個性的なそれを生かそうという感じが、減少してきてる。やっぱり医者に任せたほうが楽だ、その2つのことが重なってると思うんですね。

(国谷キャスター)そうした傾向が強まってきたのはいつぐらいからですか?

(石川医師)はい。大体この10年に非常に急速に広がっていると思います。

(国谷キャスター)この10年ほどの間ですか。

(石川医師)はい。

(国谷キャスター)はい。
この向精神薬にできるだけ頼らずに、子どもたちにじっくり向き合うことで問題を解決していこうという取り組みが、教師や、そして医師の間で、始まっています。
Re: クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども ( No.4 )
根拠: 2012.06.13 午後7:30〜 クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども

小児神経科の医師を囲む教師たちの勉強会です。
問題行動のある子どもを数多くみてきた、宮尾益知医師(国立成育医療研究センター・発達心理科)です。発達障害の特性なども視野に入れながら、子どもの立場に立った、具体的な対応の仕方をアドバイスしています。

ちょっと最近暴力的というか、よく手を出すんですけど、そのパンチがもう本当にマックスで手を出したりするんで、隣の子がびっくりしたり「痛い痛い」って言ったり。

(宮尾益知医師)感覚認知が悪いんじゃないのかな、そういうのって。その子自身が。

宮尾医師は、感覚を脳に伝える神経の発達が遅れているのではないかと指摘しました。

(宮尾医師)まずブランコをやるとか、それからハンモックをやるとか、小豆とかああいうところに手を入れさせるとか、要するに感覚をもっとちゃんとできるようにするという

遊びを通して手先や、身体全体の感覚を養うことを勧めました。

教室内で落ち着かないで、学習にはほとんど参加できていません。参加させようとすると、奇声をあげて教室内を走り回る。

(宮尾医師)その子の気持ちはどうなんだろうっていうことですよね。行動だけ責めないで、そこにいて辛いという気持ちがあるんだなって。だから辛い気持は分かるよと

薬だけに頼るのではなく、問題行動の背景に何があるのか、子どもの気持ちに寄り添いながら考えることが大事だと伝えています。
Re: クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども ( No.5 )
根拠: 2012.06.13 午後7:30〜 クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども

周りの大人が気持ちを受けとめることで回復に向かった女性がいます。
裕子さん(仮名)が向精神薬の服用を始めたのは、中学2年生のとき。ストレスから吐き気が止まらなくなり、精神科を受診したことがきっかけでした。心身症と診断されて入院。服薬に加え、点滴でも向精神薬を投与されました。意識がもうろうとし、歩くことも、トイレに行くこともできなくなってしまった裕子さん。薬による治療は、8年に渡りました。

(母親)おかしい。これはおかしい。何で止まらないんだろうって。どんどん悪くなるのは変だよって治療をしていてって思ったんですよね。

裕子さんの母親は、インターネットで見つけた医師にセカンドオピニオンを求めました。すると、裕子さんの症状は薬の副作用だと指摘されたのです。母親は、薬を少しずつ減らしていくことにしました。薬に頼らず、娘の気持ちに寄り添いながら支えていく決意をしたのです。

(母親)減薬していくだけじゃなくて、やっぱりあの、家族の総括というか。この子が言い始めるとか、この子が何かしようとするのを待つ側にならないといけないというか。

減薬に取り組んだときの母親の日記です。
向精神薬を減らすにつれて、裕子さんは薬の激しい離脱症状に苦しむようになります。
(日記の映像)
 奇声をあげて、キャーと起きてくる。
 中学生の頃の夢がこわいという。
 身体が固まり、呼吸ができない。

(母親)この辺にある刃物でも何でも持って、あーってなっちゃう。1回は刺しちゃうみたいなこともあったし

母親は裕子さんの苦しみを受けとめ、じっと見守り続けました。薬を減らし始めて6年、症状は徐々に改善しました。
裕子さんは、しまい込んでいた自分の気持ちを母親に打ち明けるようになりました。

(母親)この子も言えなかったことを言えるようになってるなとか。長い時間かけて伝えようとする言葉を、夜中までかけて朝方までかけて(娘が)言うのを待つ
 ほんとうにこの子と向き合ってこれてよかったと思います。

裕子さんは先月から、近所の農家で野菜の出荷を手伝い始めました。自分がやりたかった仕事です。

(裕子さん)自分の感情があって いろんなことができるので どんなことでもうれしいし楽しいし
いろんなことにチャレンジしたいです。
Re: クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども ( No.6 )
根拠: 2012.06.13 午後7:30〜 クローズアップ現代 向精神薬をのむ子ども

(国谷キャスター)今のリポートで、薬に頼るのではなく、宮尾先生はもう少し子どもの立場に立った対応が必要だと仰ってましたけれども、どのようにみていらっしゃいますか?

(石川医師)全くその通りですね。発達障害であれなかれ、子どもの行動っていうのは必ず、その背景には心の動きがあるわけですね。その心の動きさえ分かると、駄目だと思っていることが全く違って見えてくる。

たとえばある子どもが、牛乳のにおいが嫌なので給食を食べないようにして我慢している。それでも食べさせられると吐いちゃう。我慢してると食べろといって怒られる。
それをくり返すうちに、我慢するというのは本当は子どもにとっては一生懸命の行為なのに、それを否定されてしまうと、どうしていいか分からなくなって、それで教室の中でいろんな行動をし出す。   
正面だけみれば、給食を飛び出したり吐いたりする変な子だとして、それで病院に連れて来られるなんてことがあります。

あるいはそういうものに対して、子どもでもちょっかいを出したり手出しするっていうんで連れてこられる子なんかいるんですけど、その中には、大抵の子どもって何かするっていうのは、自分の気分を変えたいか、あるいは人に認められたくてするんですよね。
そうするとそういう子どもを抑えつけるのではなくて、むしろ、役割を与えてみる。役割を発揮したら皆が喜ぶし、自分ができたと思うとすごく嬉しくなる。そうするとちょっかいとか手を出すっていう行動が逆に非常に楽しいものに変わっていく。

病気と見るんじゃなくてその背景にある心をどうやったら生かせるか、その子の特色を生かせるか、という風にみていく必要があるんだけれど、今の先生たちはそのゆとりを奪われているように思いますね。

(国谷キャスター)実際に、薬の投与が必要だというお子さんもいらっしゃる。しかし薬を投与しなくてもなおっていけるというか、改善できるというのはどれくらいいらっしゃる?

(石川医師)12歳ぐらいまでの子どもは、よほど生命の危機にあるとか、生活が危ないとかいうことを除けば、そういう数%の人を除けば、殆どが実は薬なしで問題を乗り越えていけるっていう風に考えています。

(国谷キャスター)先ほどのリポートもありましたけれども、長期的な薬の身体への影響っていうのはまだ分かっていないんですよね?

(石川医師)ええ、実は調査自体が、これは原子力の問題とおんなじで、10年、20年、30年ではすまないほどの調査になっていろんな問題が出てくると思うんですね。しかしそれを手がけた研究は非常に少ないし、ようやくヨーロッパの一部で少し、危険を警告するような雰囲気が出てます。まだ確定したものは出ていません。

(国谷キャスター)そしていったん薬を始めて、大量に飲んでいると、薬をやめることが難しいんですね。

(石川医師)ええ、やめることはできるんですが、そこは慎重にやめないと。実はやめること自体で薬には、向精神薬には離脱という恐ろしい反応があるし、薬によってはてんかんによって命が亡くなるということが起こるので、必ず医師と相談する。自分の医者が駄目ならセカンドオピニオンを求めて、それを診てくれるお医者さんと相談するということが必要だと思います。

(国谷キャスター)薬を飲んでいて、不安になってらっしゃる方、やめてしまってまた学校で問題が起きるのではないかと、いろんな不安を抱えながらみてらっしゃる方々もいらっしゃると思うんですけれども、どんなアドバイスをされますか?

(石川医師)苦しい時期には、物事って否定的にしか見えないし、皆もあせるんですけれども、そこを冷静に乗り越えてみるとね、実は問題だと思っていたところが、その人の個性であったり、能力であったり、すてきな可能性だったりすることってむしろ多いんですよね。
たとえばこだわりがあって困るっていう人もいるけれども、そのこだわりが逆に細かい発見につながるという。
そんな色んな、持っていることを障害、問題と見ないで、これは将来変わっていくチャンスだ、と。きっかけになるんだという風に、苦しい時期を捉えて、未来の希望を持つことと、そういう希望を交換できる友達や先生や色んな人と出会っていくこと。あの、精神障害で、命が、そのものまでなくなることはありません。それによる失望さえなければ、時間はかかっても必ず希望は待っていることが多いので。そこは心配しないでいただきたい、と。

(国谷キャスター)子どもと薬の関係はどうあるべきですか?

(石川医師)どうしても必要でこれはやはり薬だけしか頼れない、ということもありますけれども、使うとすれば最低限、最小期間、できる限り副作用をしょっちゅう確かめながらやっていくということが、必要だと思います。

(国谷キャスター)どうもありがとうございました。石川憲彦さんでした。


大事だと感じましたので、文に起こしました。訂正箇所等ありましたら、どうぞ教えて下さい。
正直、こうやって全てを文にしてよいのだろうかと迷ったのですが、
私がどうしても見直したくて、もし同様の方がいらっしゃったら、と感じ載せさせていただきました。
なにとぞ、ご了承いただけましたら、幸いです。。

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